自立

繰り返し読んでも面白い漫画がある。もちろん個人的な感想で、世間的な評価はどうでもいい。

その漫画がテレビドラマ化されている。漫画が好きだから、当然どんなかなあと思って見るわけだ。すると、クソつまらないのである。

ストーリー自体は省いている部分はあるもののそう変わらない。それにもかかわらずクソつまらないのである。

何が違うのか?

漫画での醍醐味だった登場人物の心理が深く描かれていないのである。ただストーリーを流しているだけなのである。限られた時間の中で描くのはたいへん難しいと思う。私にも絶対出来ない。ただ、それだったらその漫画を映像化なんてしなければいい。漫画には漫画の良さがあり、映像には映像の良さがある。

さらに言えば小説には小説の良さがある。

小説の映画化なんてよくある話だけれど、これがまた約八割が残念な出来で、小説を超える映画なんて観たことがない。

結局何を言いたいかと言うと、漫画、小説、映画、ドラマなどそれぞれにはそれぞれの良いところがあるのだから、それを生かして作品を作ってほしいということである。

映画、特に最近の邦画は小説原作に頼り過ぎで、オリジナル脚本があまりないように見受けられる。

人の想像力は限りがないから映像が言葉に勝つことは無いかもしれない。

それでも映画には映画の出来る事、これをやっていかないと映像の世界は衰退していく一方だ。それぞれがそれぞれを頼ること、止めたほうが良いとまでは言えないけれど、魅力ある作品を作りたいのならば、己の武器で戦うしかない。