立直

DVDを見ながらその内容を頭の中で文字におこす。

DVDと言ってもストーリー系のミュージックビデオで、何回も繰り返し見ているため内容はすっかり把握している。それを小説風な文章にしようと頭の中で試みているのである。

ミュージックビデオのため、登場人物たちが何を話しているかはこちらが想像しないといけない。出来事だけを文章にしても面白くもない。その場面や表情から心情を読み取りそれを婉曲的に文字にあらわす。

するとどうだろう。流して見ていた場面さえ感動的な場面となり、私は不覚にも涙をこぼしてしまった。多分世界広しと言えどこの場面で泣く人間は私しかいないと思う。

これまで人を寄せ付けず孤独だった人間が、人々の暖かさに触れ、次第に心を開いていくという場面。ここはメインの場面ではない。しかしこういうところにグッときてしまうのは今の自分とりんくさせているからか?

よくわからないが、泣くのはカッコいいことではないけれど、いつまでも感受性は持ち続けたいものである。